スフェレキソクス・ラティフロンス

全身揃ったものだと高くて買えないようなものでも、部分ならなんとか手が届く──私が部分化石に手を出すのはたいていそんな理由からだが、だんだんと経験を重ねていくうちに、部分化石にもふたつの種類があることが分ってきた。ひとつは部分だけでも鑑賞に(…

ナニレヌス or タレオプス

AVAILABLE GENERIC NAMES FOR TRILOBITES という、三葉虫愛好家にはバイブルのような資料があって、ネットでも手軽に見られるので重宝しているが、これによるとナニレヌスとタレオプスはそれぞれ次のように説明されている。 ナニレヌス(Nanillaenus) 命名…

標本棚

長年放置していた棚を整理して標本棚に使うことにした。ベニヤでひな壇らしきものを作って化石を置くようにしたが、どうも見た目があまりよろしくない。しかし、これもあれこれ試行錯誤しているうちにサマになるんじゃないかと思っている。初期のころはいろ…

イレヌスの中のイレヌス

某所で見つけたロシア虫のイレヌス・クラッシカウダ。これは前から欲しかったので、よっしゃ! と意気込んだが、ちょっと待てよ、これはほんとに I. crassicauda なのか?ロシアのイレヌスにしたら小ぶりだが、そんなことより保存状態が劣悪で、クラッシカウ…

イサベリニア・グラブラタ

到着した標本を眺めながらいつも思うのは、これはほんとに〇〇だろうか、ほんとに××から産出したものだろうか、ということ。どうもそのへん怪しい標本が多いように思うんですよ。こっちにはっきりした同定の手段があればべつだが、そうでない場合は売り手の…

オカタリア・スズイイ

スペインのカンブリア系から出たもので、産地はレオン県のカンタブリア山脈とのこと。Cambrian, Cantabrian と書いてあるので何かの間違いかと思ったが、そういう名前の山があるらしい。ご覧のとおり頭部のみの部分化石で、緑がかった灰色の母岩に黄色で保存…

三葉虫人間はどこにでもいる

「週間はてなランキング」とかいうのが目についたので見てみると、はてなブログでブックマークが何百とか、ものすごい数字が並んでいる。このあたりははてな村(今でも使われているのか?)の絶巓であり、極北である。自分のところと比べることさえおこがま…

停滞

この前ロシア産の稀少種で失敗してからというもの、どうやらツキに見放されてしまったようで、いままでコンスタントに続いていた蒐集の手がぴたりと止まってしまった。まあ一種のスランプと思えばいいのかもしれない。じっさい、どこを見渡しても欲しいと思…

化石や鉱物の手入れ

みなさんは標本につく埃はどうしてますか?自分はケースに入れて保管しているから、埃なんか気にしない、という方もおられるでしょう。まあそれはそれでかまいませんが、ケースに入れているからといって、埃が付着しないとはかぎらない。まったく、埃という…

失敗談

私の三葉虫集めが二勝一敗ペースで来ていることはこの前書いた。今回またしても黒星を喫してしまったわけで、その次第を書いておこう。何を買ったかは伏せておくが、わかる人にはわかるだろう。そもそもの発端は思わぬ臨時収入があったこと。けっこうまとま…

とりあえずの総括

私が最初に三葉虫を買ったのは2013年の3月だった。それからしばらくは様子見で、軌道に乗り出したのは6月くらいだから、今でちょうど4年が過ぎたことになる。もうあれから4年が経ったのか、と自分でもちょっと意外だが、それより恐ろしいのは、すでに5年目に…

カリメネについて

みなさんはカリメネがお好きですか? 私は大好きですよ~というわけで(?)、今回はカリメネのお話。まず大御所フォーティの意見を聞いてみよう。「カリメネは多くの人から典型的な三葉虫とみなされている。……シルル紀の地層で最もふつうに見つかる三葉虫の…

グリーノプス・ウィデレンシス

「ニューヨークの三葉虫*1」という大判の本を飾る(?)何種類ものグリーノプス。その魅力的な画像を眺めながら、自分もいつかはニューヨークのグリーノプスを、と思っていたが、なかなかこれといった標本が見つからない。上記の本のすばらしい画像を見てい…

コルポコリフェ・ルオーティ

某氏のブログに、複眼が保存されたロシアのアサフスの記事が出ていたので、手持ちのエキスパンススの眼をルーペで調べてみたが、個眼レンズなどひとつも確認できやしない。まあこれは仕方ないな、と思って、何の気なしにプリオメラ(同じくロシア産)の眼を…

腕足類と三葉虫と蘚苔虫のコラボ

三葉虫には ventral(裏彫り)というクリーニング法がある。その名のとおり、腹側から母岩を取り除く方法で、背側からのクリーニングほど一般的でない。これが行われるのは、たとえば付属肢つきの標本、ニューヨークのトリアルツルスやブンデンバッハのコテ…

スコトハルペス・スパスキイ

前から欲しかったがあまりの高さに手が出せずにいたもの。今回わりあい安価に買えたのはラッキーだったが、一般に出回っているものよりも一回り以上小さい(18㎜ほど)。このサイズのおかげでだいぶ安くなっているように思う(ふつうは25㎜ほど)。しかし本…

スピニボレ・コッドネンシス

英国産の石炭紀三葉虫。産地はデボン州のバーンスタプルという町の近くで、そこに Coddon Hill Beds という石炭紀前期の地層があるらしい。種名の coddonensis はその Coddon Hill から取られたものだろう。Spinibole の spini- はたぶん「トゲ」の意味だと…

アルケゴヌス(・ラティボレ)・レヴィカウダ

ドイツ産の石炭紀三葉虫。黒いネガポジセットはアプラート(Aprath)から、白い尾板標本はフェルバート(Velbert)からそれぞれ採取されたものだが、地図で確認すると、このふたつの産地はそれほど離れていない。おそらく同じ地層がつながっているのではない…

ディトモピゲ・スキトゥラ

テキサス州ブリッジポートのウルフマウンテン頁岩から産出したもの。この地の三葉虫は大半が小さいノジュールのかたちで産出するらしい。今回のものもノジュールを割って出たものだが、母岩がほとんど残っていないので、元々の産状は不明だ。外殻がよく残っ…

ハルピデスの一種、つけたりエウロマの一種

前々から欲しかったハルピデスをついに購入! しかし……届いたものを見ると、体の下半分があからさまに作り物だ。別個体のものをくっつけたというよりも、補修者がフリーハンドで胸節を「彫刻」しているようにみえる。これはいかんなあ……と思いつつ、まあモロ…

アメロピルトニア・ラウラダナエ

北米産の石炭紀三葉虫。購入元のデータによれば、ミズーリ州のセイリーン郡に Chouteau Formation という石炭紀の地層が露出していて、そこからこの三葉虫が産出するらしい。本種はまた Breviphillipsia sampsoni もしくはたんに Phillipsia sampsoni とも呼…

ボランディア・グロビケプス

2017年度はロシアの三葉虫を、と思っていたが、どういうわけか石炭紀のものばかりが手元に集まってくる。こういう流れはまったく予期していなかった。去年までは探してもなかなか見つからなかった石炭紀の三葉虫が、向うのほうから「私を買って」とばかりに…

コレクションの方向性

どうも私はいいコレクターにはなれないみたいだ。もうそれは諦めた。そんならコレクションをやめるかというと、そんな気はいまのところない。ものを集めるのは楽しいことだ。その楽しみを放棄するつもりはない。ではどうするか。その前に、自分がどういうも…

A la twitter

某月某日 電車に乗っていたら、どこからともなく石灰岩の匂いが漂ってきた。はっとして目を上げると、そこにバルダイテスそっくりの顔をした男が立っていた。某月某日 ヤフオクで売れた商品を梱包しながらため息をつく。「はあ、買って行くの男ばっかりやな……

ファコピディナ・ミシェリ・ミシェリ

本種はもともとダルマニテス・ミシェリという名前だったが、いつのまにかアカステ科に編入されて属名もファコピディナに改められた。ファコピディナの模式種(Phacopidina harnagensis)は英国産らしく、チェコでも似たようなのが出るらしい。しかしこんにち…

エッカパラドキシデス・プシルス

──あなたはレドリキア派? それともオレネルス派? ──パラドキシデス派です。分る人にしか分らないボケだが、こういう人は意外に多そうな気がする。レドリキアにもオレネルスにもあまり関心がなくて、パラドキシデスだけが好きっていうのがね。さて、今回手…

オギギヌス・ゲッタルディ

フランスの代表的な三葉虫は? と訊かれたらどう答えるか。あれでもない、これでもないと考えたあげく、最後に残ったのがオギギヌス・ゲッタルディ(Ogyginus guettardi)だ。初期の分類者であるブロンニヤールがこれをアサフス目に含めず、あえてオギギア目…

ディプレウラ・デカイ

デボン紀ニューヨークの産。ご覧のとおりコンポジットものだが、不自然さを感じさせないようにうまく貼り合せてある。上から見るとじゃっかん頭部が大きく、全体が寸詰まりのようだが、そんなことを気にしても始まらない。なにしろコンポジットなのだから………

リカス! リカス!

前にも書いたように、私のコレクションにはリカス成分が決定的に不足している。なんとかならないもんかとつねづね思っているのだが……──リカス、リカスと叫んで呼べば、リカスがくる。ほんとですかね、そんなうまい具合にいくのかしら。さて、リカスの魅力は…

鬼が笑う話

2016年が暮れようとしている。来年はいよいよロシア三葉虫が解禁になるのだ。なんと、わくわくする話ではあるまいか、と気分の高揚を抑えきれないが、さてじっさい何が欲しい? と訊かれたら、答えにつまるのですな。そりゃまあ欲しいものはいくつもある。ス…