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クリプトリトイデス・ウルリヒ

前のロベルギア・デッケリと同じくオクラホマのヴィオラ層(オルドビス系)から出たもの。クリプトリトイデスという名前は、おそらく「クリプトリトゥス(Cryptolithus)に似たもの」という意味だと思うが、トリヌクレウス科に属する三葉虫はどれもこれもじ…

イレヌス・サルシ

イレヌスとひとくちにいってもいろんな種類がある。それらのうちでもだいたいこれが模式種ではないか、と見当をつけたのがイレヌス・サルシだ。ロシア産で手ごろなものがあったら欲しいと思っていたが、なかなかこれというのが見つからない。諦めかけていた…

キファスピス・ケラトフタルマ

記念すべきアイフェル産の第一号。キファスピスという種類はあまり好みではないのだが、まあ初回だし、様子見にはいいんじゃないか、ということで買ってみた。灰白色の母岩に淡いベージュ色で保存されていて、注意深く眺めればその保存状態はけっしてわるく…

ゲーソプス・シュロートハイミ?

今年に入って手に入れたアイフェル産の二つ目がこれ。一つ目については後日取り上げるつもり。 Geesops cf. schlotheimi いろいろと謎の多い標本だが、いちばん根源的な疑問は、これはいったい化石なのか、ということ。少なくとも私はここまで保存のいい、完…

Russian Trilobites

「ボエダスピスいかーっすかぁ、お安くしときますよー」そんな声がきこえてくる日曜の昼下り。──いや、私は要らんね。あんまり好みじゃないんで。これは本音だ。負け惜しみでいってるのではない。どういうわけかロシアン三葉虫は私の心に迫ってこないのであ…

ドリコハルペス・プロクリヴァ

オクラホマのブロマイド層(オルドビス系)から出たもの。いかにもオクラホマといった感じの母岩に、この産地特有の色で化石化している。本体以外にもコケムシや腕足類が同居していて、母岩の厚みもそこそこあるので、小さいながらも存在感のある標本になっ…

ケラウルス・プレウレキサンテムス

今年最初のヤフオクでの買い物がこれだが、現物を見たときは驚いた。これがあのケラウルスだろうか。まるでパラドキシデスのような凄みではないか。それにこの格調の高さはどうだろう。雰囲気だけでいえば、去年の夏岐阜で見たアンフィリカスに匹敵する。う…

プロエトゥス類のことなど

正月そうそう、ebay やらヤフオクやらでだいぶ気を揉まされたので、このへんでちょっと頭を冷やして、自分のコレクションを見直してみよう。ここで役に立つのが、前に紹介したアドレインの新分類表だ。これに自分の買った種類を書き込んでいくと、たとえばフ…

フラギスクトゥム・グレバレ

一目見て「これは……」と息をのんだ。なんぼなんでもかわいすぎるでしょう。いままでかわいい三葉虫といえばシュードキベレにとどめをさすと思っていたが、なんの、こっちも負けていない。ベージュ色で保存されているのも優雅な趣をかもし出している。三葉虫…

カリオプス・アルマートゥス

オクラホマのブロマイド層(オルドビス紀)、つまりホモテルスと同じ地層から出たもの。頭部だけの部分化石だが、ほかにウミユリ(蕚のみ)や腕足類(?)が載っていて、小さいながらもにぎやかな標本になっている。カリオプスはファコプス超科のプテリゴメ…

シルル紀の海底プレート

エリアソン女史のゴトランド本の見返しに密集化石の写真が出ていて、こんなのが欲しいなあ、と思っていたところ、運よく二種類の海底プレートを入手することができた。ひとつは英国のダドリー近郊レンズネスト(Wren's Nest)のもの、もうひとつはゴトランド…

To buy or not to buy

ええと、これすぐ消しちゃうんで、スターとかコメントとか要らんですよ。 ひとつ狙ってる標本があって、これをどうすべきか、と。産地つながりで私の視野に入ってきたものなんだが、もし産地に興味がなければとうぜん見送ったはずなんだよね。見送ったどころ…

ロベルギア・デッケリ

米国オクラホマ州マレー郡のヴィオラ層(オルドビス紀後期)から出たもの。カンブリア紀の生き残りのような姿をしているが、じつはレモプレウリデスの仲間らしい。尾板の形が独特で、それだけでも私には魅力的だが、片方だけとはいえ自在頬がついているのは…

シリンゴポラの一種(cf. bifurcata)

これもやはり床板サンゴの仲間で、細長いチューブのような形をした個体がいくつも集まって群体をなしている。個々の個体は完全にはくっつき合わず、側面から枝のようなものを出して互いに支えあっている。そのありさまは立体的な「あみだくじ」のようだ。 Sy…

ストロマトポラ

ストロマトポラはストロマトライト、ことにモロッコ産のそれに形が似ているが、もちろんまったくの別物で、現在ではスポンジの仲間に分類されている生物の化石である。ゴトランドでは多産し、土地の人々から「猫のしゃれこうべ(CATSKULL)」と呼ばれている…

パキポラの一種

パキポラとは何か? これがよく分らんのですよ。エリアソン女史のゴトランド本ではいちおう床板サンゴに分類されていて、「パキポラのサンゴ体は幅広くて平べったい木の枝に似ている。住房は直径1ミリあるかないかで、厚い囲壁をもっている。ゴトランドでは…

ハリシテスの一種

これもやはり床板サンゴの仲間で、名前の由来は halysis + ites で「鎖の石」、和名をクサリサンゴという。なぜ鎖なのかは、現物をみれば一目瞭然だろう。Halysites sp. ハチノスサンゴを見て気持わるいと思う人はあまりいないと思うが、このクサリサンゴは…

ファボシテスの一種

これは床板サンゴの仲間で、ファボシテスとは favose + ites で「ハチの巣の石」の意、日本でも同様にハチノスサンゴと呼ばれている。今回手に入れたものは、裏側をみると床板が確認できるし、サンゴ体が同心円を描きながら層状に成長していく様子もうかがえ…

キスティフィルム・テヌエ?

これも孤生サンゴの一種で、その形状からホーンコーラル(角サンゴ)とかルゴサコーラル(襞サンゴ)と呼ばれる。ルゴサコーラルは四射サンゴとも呼ばれ、先日言及したヘキサゴナリアもこの仲間だ。ヘキサゴナリアが寄り合って群体をつくるのに対し、こちら…

パレオキクルス・ポルピトゥス

サンゴは群体をつくるものと、単独で生活するものとに分けられる。今回採り上げるのは後者に属するもので、その平たく丸い形状からボタンコーラルと呼ばれている。 正式には Palaeocyclus porpitus という名前がついているが、これら九つの標本を見ても、セ…

レプテーナ・デプレッサ

腕足類はいまでこそ種類も少なく、「生きた化石」として細々と暮しているようだが、古生代には数千種が存在して大繁栄していた。つまり現生種よりも化石種のほうがだんぜん多いわけで、海外では腕足類を中心に集めている化石コレクターも少なくないらしい。…

ゴトランドのヘキサゴナリア

古代のサンゴの化石はどうもあまり人気がないみたいで、たいていは二束三文で取引される。しかしこれは私にはありがたい。日本にいてはとてもお目にかかれないようなものが安く手に入るのだから。サンゴはクラゲやイソギンチャクの仲間で、硬い骨格(という…

ヘリオリテスの一種

ここ半年ほどのあいだにゴトランド産のサンゴ類の化石をいくつか手に入れたので、それらについて少し書いておこう。まず最初に手に入れたのがヘリオリテス(Heliolites)というもの。これは「太陽の石」という意味で、日本では日石サンゴと呼ばれているらし…

化石のバロック

私は手に入れた化石や鉱物はむきだしで並べて楽しむタイプなので、陳列棚は必要不可欠なものなのだが、しかし棚という限られたスペースはすぐにいっぱいになってしまう。むりをして詰め込んでも、あまりごちゃごちゃしているのは自分の美意識に反するし、な…

ディアカリメネ・クラヴィクラ

どの年代の三葉虫がいちばん好きか、と訊かれてもうまく答えられない。どの年代のものもそれぞれ魅力的で、これがいちばんとはいえないからだ。しかし、翻って考えてみると、たとえばカンブリア紀の三葉虫とかデボン紀の三葉虫とかいわれてもべつに何とも思…

ワンダフル・デス

三葉虫の標本の説明でときどき見かけるのが「いまにも動き出しそうな」というフレーズだ。保存状態がよく、かつ躍動的な姿勢で化石化しているものをさしてそう呼ぶのだろう。こういうのは生き生きした化石といえばいいのか。文字にすると変だが、たしかにそ…

ホモテルス・ブロミデンシス

ロシア産のアサフス類にはあまり興味のない私だが、これが北米産のイソテルスの仲間となると話は違ってくる。イソテルスを見かけるといつもはっとして頭に血がのぼる。どうしてなのか自分でもよく分らない。いったいどんな微妙な違いがロシア産と北米産とに…

エッカパラドキシデスの一種

エッカパラドキシデスはプシルス(pusillus)という種がボヘミアで産出する。けっこういいものが出ているようだが、どうも割高感があって手を出しにくい。そんなおり、スペイン産のお手ごろ価格のものが目についたので買ってみた。スペイン産のカンブリア紀…

アウラコプレウラ・コニンキ

このたび新設されたアウラコプレウラ目のおかげでアウラコプレウラ・コニンキの人気も急上昇するか、といえばそんなことはありえない。この種は今後もその名前のとおり(?)小人気にとどまるだろう。理由としては、サイズが小さい、見た目が平凡である、多…

三葉虫の新分類について

2011年に出されたアドレインの新分類法。こちらのページにあがっているのがそれだが、これをざっと見て気づいたことを書いてみよう。まず第一にアグノストゥス目が消えてしまったこと。これまでもアグノストゥス類を三葉虫に含めるべきかどうかについて…

三葉虫の名前の読み方

与えられた学名をどう読むか。まあこれは国によっても違うだろうし、個人によっても違うだろう。つまるところ、これといってきまった読み方があるわけではないのだ。めいめいが好きなように読めばいいのである。と、いちおうはそうなのだが、しかしあんまり…

ケラトヌルスの一種

ディクラヌルスのあとはこれしかないでしょ、というわけで買ったのが本種。アイデンティティが揺らぐほど高い買い物だったが、これにはミラスピスの後押しもあった。というのも、ケラトヌルスはいろんな点でじつによくミラスピスに似ていて、ほとんど直系の…

企画展「三葉虫の謎 II」を見終えて

立松コレクションは2000種の標本からなっているらしい。標本2000種といわれてもあまりピンとこず、「もってる人はそれくらいもってるだろうサ」くらいの認識なのだが、これは2000という数字を少なく見積もりすぎることからくる。たとえば200…

椎野先生の講演(後半)

後半の論題は「外への平滑化」というので、外面の平滑な三葉虫の例としてハイポディクラノタス(Hypodicranotus striatulus)が採り上げられます。これは会場でも展示されていましたが、小さくて地味なので見過ごした方も多いのではないでしょうか。私も講義…

椎野先生の講演(前半)

立松氏につづいて椎野先生の講演がありましたが、これは私にはむつかしくてよく理解できませんでした。よく分らないなりに強引にまとめると──トゲや粒々を纏ったいかつい三葉虫とはべつに、イレヌスに代表されるような、つるっとした滑らかな三葉虫がいる。…

立松氏の講演

8月2日に行われた立松氏の講演「50年の軌跡~三葉虫の多様性とその美~」から。立松氏の化石蒐集のスタンスとして印象的だったのは、なぜ集めるのか、という問いに対して、「好きだから、楽しいから」という、単純ですが断固とした態度を持しておられる…

立松コレクションを見る

朝7時前に家を出て20時に帰宅。まさに圧巻の一言でしたね。もう自分で三葉虫を集めるのがいやになるほどの。種類でいえば、おそらくアメリカのものがいちばん多かったような気がします。あとはロシア種、モロッコ種が主で、ヨーロッパでは英国、ドイツ、…

化石棚をさらす

──暑くてダルくてなにもする気がしないんですけど。 ──なにもしなくていいんじゃないですか、とくにやるべきことがないんなら。なるほどだしかにそうだ、と思って、休日はもうダラダラすることにきめた。ブログの更新もやめ。ゴトランド島の化石本を紹介しよ…

クテノケファルス・コロナトゥス

チェコのスクリイェ界隈から出るカンブリア紀中期の三葉虫だが、層序データをみると「ブハヴァ層」と書いてある。そんなものがあるのか、と思って調べてみたら、たしかにスクリイェを横切るかたちでカンブリア紀の地層が細々と斜めに延びていて、インツェを…

エンクリヌルス・マクロウルス

化石に親しむにつれ、だんだんと日々の労働や雑事が煩わしくなってくる。しまいにはそういう一切のものから解放されて、化石の国へ行って住みたいと思うようになる。しかし化石の国なんてものがこの世にあるのだろうか。それはキリスト教徒における神の国と…

ハパロクリヌス・フレキ

Konservat-Lagerstätte(n) という言葉がある。平たくいえば「特別に保存のいい化石の産地」のことで、こちらのページにその主だったものがあがっている。ブンデンバッハのフンスリュック粘板岩もそのひとつで、三葉虫愛好家には脚付きのファコプスが黄鉄鉱化…

ディクラヌルス・ハマートゥス・エレガントゥス

多くの三葉虫愛好家にとってディクラヌルスは特別な三葉虫だ、という話をよくネットで見かけるが、これがどうにも腑に落ちなかった。「そんなにいうほど特別かなあ、数あるとげとげ三葉虫のひとつにすぎないんじゃないの?」というのが正直な気持だった。と…

化石問答

──このところのヤフオクの化石カテゴリー、ちょっと異様ですね。 ──ええ、私もヤフオクを見だして2年ほどになりますが、こんな事態はなかったですね。だいたいアンモライトが1円スタートとか、ありえないでしょう。 ──それも次から次へとこれでもか、とば…

オタリオン・ディフラクトゥム(ハルピデラ・ミセラ)

ここ数日のヤフオクでの怒涛のような化石ラッシュ。私もどさくさに紛れてひとつ購入した。安い買い物ではなかったが、こういうときでないとまず入手の機会がないと思うので。いずれ商品が届いたらこちらで報告します。まあそれはそれとして、最近手に入れた…

三葉虫の蒐集について

ヤフオクをみると、ロシア三葉虫の女王ことボエダスピスが出品されている。しかも最落なしのようだから、値段はどうあれだれかの手に落ちるのは確実だ。これにはさすがに嫉妬を禁じえない。どこかの金持が物珍しさだけでかっさらっていくのでないことを祈る…

プティコパリア・ストリアータ

以前パラドキシデスを手に入れたとき、年代がカンブリア紀中期、産地がボヘミアとしか書いてなかったので、「これはインツェ(Jince)層から出たものですか?」と購入元に問い合せたことがある。購入元というのはFっしるさんだが、そのときの答は「おそらく…

オブジェとメタオブジェ

──植物化石はどんなところが魅力ですか? ──うーん、たとえば私は標本という言葉が好きなんですよ。で、標本、specimen というのは、要するに見本、サンプルのことなんですね。ある種をあらわすのに、それの見本になるようなものを作ってみよう、というので…

エクティレヌス・カッツェリ

この前買ったポルトガル産につづいて、今度はボヘミア産のエクティレヌスを手に入れた*1。体の前半部だけの部分化石で、人間でいえば胸像に相当する。胸像が美的価値をもつなら、三葉虫の前半部も同様ではないか、と思って購入したのだが…… Ectillaenus giga…

プリキクロピゲ・ビノドサ

ボヘミア三葉虫好きにはたまらん標本が満載のシュナイドルの写真集。そのうちでもシャープな印象を残すのがプリキクロピゲだ。とりあえず下に画像をあげておく。 え、どこがすごいのか分らない、ですか。そういうあなたはまっとうな感覚の持主です。こういう…

立松コレクション

いつもコメントをくださる魅惑の三葉虫さんのページ(→[mixi]三葉虫の見られる博物館、企画展 - 魅惑の三葉虫 | mixiコミュニティ)で、この夏、岐阜で立松コレクションの展示が行われることを知った。 岐阜県博物館ウェブサイト|GIFU PREFECTURAL MUSEUM …