はじめに
2月の初めに手に入れたパラドキシデス。こやつのおかげで私の一年にわたる化石蒐集はあらかたその意味を失ってしまった。どういうことかといえば──
いや、そんなことはだれも聞きたがっちゃいない。とばすとしよう。
ともあれ、パラドキシデスに比肩する凄みをもった三葉虫の化石が、未購入のものも含めてほとんどないという厳然たる事実がある。アカントピゲであろうがボエダスピスであろうが、はたまたスフェロコリフェであろうが、とうていパラドキシデスの敵ではない(あくまでも今の私の意見)。
つまるところ、パラドキシデスをもって私の三葉虫蒐集は事実上の終焉を迎えたことになる。これでよかったのか、わるかったのか、自分でも分らない、とにかくそういうことになってしまった。
もっともパラドキシデスとて絶対的存在ではありえない以上、どこでどうこの形勢が変化するか、これも自分では分らない。なるようになる、としかいまのところいえない。
すべての物事はなるようになる、またなるようにしかならない。前のブログを捨てて新たに「生活を美しく」のタイトルで再出発することにしたのも、つまりはそうなるようになっていたからである。