照明のこと

サイズが大きく、保存がよく、かつ野趣に富んでいるモロッコ産の化石。なかでもカンブロパラスやアカドパラドキシデスなどは20cmから30cmの完全体が比較的安く手に入る。こういうものを玄関や客間に飾ったらどうだろうか。一味違った雰囲気を演出できるのではないか。

そう考える人はけだし少なくないだろう。かく申す私もその一人だ。とはいうものの、化石はどこまでも化石なので、基本的には地味なものなのである。一部の特殊な例外を除き、装飾品としてはあまり効果的でない。

それでもなお化石を装飾品にしたいのなら、飾り方を工夫する必要がある。端的にいえば、いかに照明を効果的に用いるかが大切になってくる。

うちのコンソールテーブルはいまのところモロッコ勢に乗っ取られた格好だが、これを例にとっていえば──

とくに照明を用いずにテーブルに置いただけでは、このように地味で何の奇もない置物にしかみえない。なんだかでかい石が置いてあるな、というくらいの印象しか与ええない。


そこで横にフロアスタンドを立てて、陰影がはっきりするように照明をあててやると、ともかくも化石ならではの特色を主張するに足るだけの存在感は出る。


さらにフロアスタンドのみの照明にすれば、薄暗いなかに幻想的に浮び上がる絵を楽しむことができる。


というわけで、化石を生かすも殺すも照明次第なのだが、これはひとり化石にかぎった話ではなくて、室内装飾全般にかかわる問題でもある。