この一年を振り返って

私と三葉虫とのつきあいはまだ一年にしかならない。最初に買ったのはファコプスだった。去年の3月のことだ。アンモナイトに夢中になっていた私には、ただただ不恰好なもの、場違いなもの、という印象しかなかった。なんでこんなものに熱中する人がいるのか理解できなかった。

しかしネットを眺めているうちに、じわじわと三葉虫熱が高まっていったらしい。どうにかいくつかの種類を見分けることができるようになったころ、わが三葉虫界を支配していたのはファコプス、カリメネ、エルラチア、アサフスの四つだった。これが四巨頭というか四天王で、これだけ買い揃えればもう十分な気がしていた。

われながらなんという見識の狭さだったろう。

そのころ、赤福餅からの連想でアサフス餅というのを思い浮べた私は、さらにファコプス饅頭、エルラチア煎餅、カリメネ団子を考案して、この四種詰め合わせで「銘菓 三葉虫」というのを売り出したらどうか、と考えた。アイデアとしてはわるくないと思うので、いつか実現させてみたいと思っている。問題は売れるかどうかだが……

さてその四天王の支配するわが三葉虫界に闖入者として現れたのがクロタロケファルスだった。穏和な四天王のめんめんと比べると、こやつはまるで恐竜だ。そのぶきみさにただただ驚くばかりだった。

ついでやってきたのがネオアサフス、すなわちアサフス・コワレフスキイである。こやつは前に手に入れたA.レピドゥルスを失脚させ、そうそうに四天王の地位を簒奪してしまった。

クロタロケファルスによって平和を乱されたわが三葉虫界に、刺客然としてふらりとやってきたのがプシコピゲ。なんでここでプシコピゲ登場か、と理由を説明しだすと長くなるので省略するが、とにかくこやつもそうとうなしたたか者で、あっというまにわが三葉虫界のトップに躍り出てしまった(まあ値段が高かった、というのもあるのですが)。

以後はわが三葉虫界に昔日の平和はなく、群雄割拠の戦乱時代へと突入、それがかなりの期間続いて、ついにパラドキシデスという覇者のもとに再編を余儀なくされて現在にいたる、というのがことのあらましだ。


平和だった四天王時代のわが三葉虫界(アンモナイトも混じっているが)