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ミネラルショーにて

前から楽しみにしていた大阪のミネラルショー(石ふしぎ大発見展)。しかし当日になると、どうも乗り気になれない。行ったってどうせ前といっしょでしょ、人ごみにもまれるのもきついしなあ、というので土曜をうかうかと過ごしてしまった。

しかし今日になって急に行く気になったのである。このあたりの気分の変化は自分でも測りがたい。

一年前はアンモライトの現物を拝むというはっきりした目的があった。あのときほど気分が高揚したことはなかったが、しかしその目的が達成されたいまとなっては、アンモライトなどは珍しくもなんともない。見てもそれほど昂奮することなどあるまい、と高をくくっていた。

ところが、である。売場を通りかかって、ちらと横目で見たとたん、これはいけないと思った。アンモライトの人を惹きつける魅力にはただならぬものがある。思わず立ち止まって値段を確認したくなる。ふと見ると販売員のお姉さんはあいかわらず魅力的だ。あのアルトの声は私にとってはローレライの歌声にひとしい。ひとたび耳を傾けるや、身の破滅をまねきかねない。私は目に見えないマストにわれとわが身を縛りつけて、その誘惑をからくも遁れた。

今年になってそれなりにりっぱなアンモライトの欠片を手に入れて、アンモライトに関してはこれでけりをつけたつもりだったが、そんなことでは私のなかのアンモライト問題はいっこうに解決していないことを思い知らされた瞬間だった。……

     * * *

今日の収穫はロシア産のウバロバイト(灰クロム柘榴石)。これは今まで知らなかった石で、ダイオプテーズに似ているが結晶はさらに細かく、色合いもシックだ。20cmくらいの標本があって目を奪われたが、もちろんそんなものは買えるはずもなく、1インチ程度のものを購入。出費は2,800円也。


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