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三葉虫の外殻について

もしかしたらこういうものに興味をもつ人もいるかもしれないから、以前ある化石屋さんとやりとりしたメールを一部省略のうえ引用してみる。


(質問1)

***様

ひとつ気になることがあってメールを差し上げるのですが、三葉虫の化石ではよく外殻の保存ということがいわれますね。
それで、たとえばときどきヤフオクに出ているカンブロパラス、あのようにネガとポジに分れているものの場合、外殻はどうなっているのでしょうか?

殻そのものがネガとポジに分れているのか、殻はなくなって印象だけ残っているのか……

どうでもいいようなことですが、ちょっと気になるので質問させていただきました。


(回答1)

面白い視点だと思います。気になりますよね~
そこで化石の成立を考えてみて下さい。化石は元々存在していた恐竜や三葉虫自体が石化した物ではないのです。生物が死後泥土に埋まったとします。死骸は分解しやすい部分から自然に帰りますが、分解しにくい部分が丁度版画でも作るように死骸を包んでいた泥土に跡を残します。その部分が石化し化石になります。

そんな訳で本来の生物としての体の部分は残っていないのですよ。ネガポジ状態の化石の間に本来の外殻が有った物と考えて下さい。また三葉虫の外殻とは言ってみれば皮膚みたいな物ですから剥がれ落ちたり、埋まった場所の地質により細かなディテールが残らない事は良く有ります。

こんな感じでどうでしょう?


(質問2)

ご回答をありがとうございます。

やはりカンブロパラスなどネガポジものは外殻が岩に印象されていると考えるほうが理にかなっていますね。

ただ、印象化石なら母岩と同じ色でないとおかしいんじゃないか、という疑問は残りますが。

ネガポジでないもの、たとえばファコプスなんかは、本来の外殻が残っている、と考えてもいいのでしょうか? つまり生物の体の一部が残っている、と?

表側のみならず裏側からも削りこんで、昆虫の抜け殻みたいに薄くなった標本がありますよね。私はあれが三葉虫の外殻なんだと思っていましたが……


(回答2)

色々な説は御座いますが大体下記の様な事ですね。

化石化する時に色々な沈殿物によって化石の質も変わることはご存じだと思います、例えばアンモナイトを縦に割ってみますと隔壁ごとに色の違う大理石に成ってる様な物も沢山有りますが、あれは各部屋に違うミネラルが残ったため起こる物です。 

三葉虫も本来有った外殻に何かが沈殿したか付着するからそこに化石が出来る訳で、埋まった先の土がピュアな真水みたいな物だったら、そもそも化石が生成され無かったでしょう。

Cambropallasの様な赤茶けた化石だと多分鉄分が沈殿したか付着し、その後本体は朽ち果て鉄分の部分が残り酸化し赤くなったと言うわけです。

ファコプス等も同じです。本来の外殻、多分甲殻類と同じで角質化した皮膚のような物でしょうが、それ自体は石化して残っていないです。そしてファコプスにも勿論ネガが有りますよ。色もポジ側と同じです。ただ平坦な化石のようにパカッと割れてネガポジが綺麗に出ることはまず無いです。複雑な形の物はどうしてもネガ側を削り取って行かないと綺麗な化石が出ないので、普通市場には出ませんね~

>>抜け殻みたいに薄くなった標本がありますよね。

どの三葉虫でも同じ状態で化石化していますので、技術さえ確立できればどの化石でも出来ることでしょう。