大きい化石はもうこりごり、なのだが

どうも大型の化石標本は私には向かないようで、去年購入したカンブロパラスもセレノペルティスもヤフオクで処分してしまった。その勢いで、今度はウミサソリを出すつもりで準備していたが、どういうわけか現在ヤフオクで二件もウミサソリが出品されている。いま出すのはタイミング的にまずそうだ。もうすこし間をおいてから出すに若くはない。



というわけでいったん引っこめたウミサソリ。どのみち我が家を去るのは時間の問題だ、と思いながらじっと眺めていると、こんな声がきこえてきた。

──いやだよう、ぼくこの家にずっといたいよう。

思わずはっとする。こんなのは初めてだ。私ではなく、化石そのものが去就を決するとは。

しばらく考えた末、私はこうつぶやいた。

──よしわかった。おまえがそういう気なら、おれは無理にとはいわんよ。

こうしてウミサソリは唯一の大型標本として我が家にとどまることになった。