三葉虫は腕足類?

どこで読んだか忘れたが、三葉虫について、「この動物に足が発見されないかぎり、私はこれが腕足類であるという自説を枉げない」といった古生物学者がいたらしい(十九世紀の話)。しかし足があろうがなかろうが、三葉虫と腕足類とではほとんど似たところがない。なにを根拠に腕足類に分類したのかふしぎに思っていた。

ところで、下の画像を見て、ひとは何と思うだろうか。私はまっさきに三葉虫を思い浮べる。左右が少々いびつだが、そういう化石は珍しくない。長年のあいだ地中で圧縮を受けていれば、ゆがむ場合だってあるだろう、と。



しかしじつのところ、この化石は三葉虫ではなく、ストラメントゥムというフジツボの仲間、分類上は蔓脚類に属する動物なのである。

ふだんから三葉虫ばかり見ていたら、フジツボでさえ三葉虫に見えてくる。くだんの学者もおそらく腕足類ばかり眺めていたんじゃないかと思う。



(追加の画像、12/13)


三葉虫(の尾部)と腕足類


ルイド博士の鰈(オギギオカレラ・デブッキイ)