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イソテルス・マキシムス

オギギオカレラに続いて年末ぎりぎりに届いたイソテルス。一目見るなりその偉容に打たれた。このボロさにしてこのカッコよさ。ううむ、さすがにオハイオ州の州化石に選ばれただけのことはある*1


イソテルス・マキシムス(Isotelus maximus)


イソテルスはアサフス科に属するのでもちろんアサフスに似ているが、この標本を見るかぎり、微妙にイレヌスにも似ているし、スクテルム類にも似ている。形態的にはアサフス、イレヌス、スクテルムの中間に位置しているような感じだ。しかしイソテルスをしてイソテルスたらしめているのは、その形態ではなくてむしろ外殻ではないかと思う。それはまるで玉虫の翅(かつて厨子の装飾に使われた)のように薄く、繊細で、美しい(褒めすぎか?)。

私が最初に購入した三葉虫本「三葉虫とその時代」(姫路科学館の図録)には、これの27cmもある標本の写真が載っている。まさに博物館級のしろもので、これを見るためだけに姫路まで行ってもいいと思うくらいだ。



今回の標本のいちばんの欠点は、胸節の上に頭部がずれこんでいて、もともと八つある胸節の一部が埋もれてしまっていることだが、これはイソテルスの仲間にはよくあることで、姫路科学館の標本でも第一胸節は頭部の下に埋まっている。

いずれにしても、「不完全な標本は手元に、完全なものは本やネットで」というのが今後の私のモットーでなければならない。これはお金のない化石蒐集家への福音でもある。

*1:アメリカでは州を代表する化石がきめられていて、ペンシルヴェニア州ではファコプス・ラナが、ウィスコンシン州ではステナロカリメネ・ケレブラが州化石に選ばれている