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化石購入の軌跡

最初に買ったのはハーフカットのアンモナイトだった。2013年の2月のことだ。たまたまヤフオクを見ていて、Aトラスさんが出していたものに目を奪われたのである。こんなものが、と思いながら勢いで落札してしまった。値段はたしか2万円くらいで、あとで考えると高い買い物だったが、あのときあれを買っておいてよかったと思う。なにしろあれがすべての始まりだったのだから。

それからカンブリア爆発が始まったわけだ。じっさいのところ、グールドもいうように、多様性は初期にピークに達する。とにかくおもしろそうなものなら何でも買っていた。安いもの限定だが、サメの歯なんていうものまで買ったことがある。そんななかでもアンモナイト三葉虫は二本の柱で、なるべく見栄えのするものを選んで買っていた。

で、2014年の2月にやはりヤフオクで買ったパラドキシデス。これがカンブリア紀を一気に終焉させてしまった。私はこれをパラドキシデス革命と名づけているのだが、それ以後はオルドビス紀に突入することになる。2014年はほぼボヘミア三葉虫とその関連のものが購入の対象になった。これもやはり安いもの限定だ。カンブリア紀に購入したものは多くヤフオク行きを余儀なくされた。

2014年の年末に買ったふたつの標本(最近の日記で言及したオギギオカレラとイソテルス)は、ふたたび新たな局面を開いてくれるだろうか。その気配はじゅうぶんにある。というのも、ここにきていままで閑却していたアサフス類がにわかに関心の対象になってきたからである。もしここで転回があるとするなら、それは私の化石購入のシルル紀を画することになる。


     * * *


ところで最近気づいたのだが、たとえ安いものであっても、次々に買っているとそれなりに出費がかさんでくる。これはよほど注意しないといけない。というのも、化石を買い始めたころと今とでは金銭感覚がずいぶん違ってきているからだ。かつては10万の標本といえば目をむいたものだが、今ではとくになんとも思わなくなっている。もちろん自分では買わないけれども、50万や100万の標本がごくふつうに売買されているのを見ていると、そういうのが当り前に感じられてくるのである。

この前ヤフオクで出ていた化石の説明に、「100万で落札できたらお買い得」というようなことが書いてあって笑ってしまった。一般人には理解しがたいと思うが、化石マニアにはある種の納得をもって受け入れられそうな気がする。「そうだなあ、まあ100万円なら安いかな」と思ってしまう人がいてもふしぎではない。

けれども冷静に考えてみよ、100万の三葉虫を100個買ったら、一億円がふっとぶ勘定になるのですぞ。そして化石標本100個などは集めだせばすぐにたまってしまう量にすぎない。

まあ化石はある程度転売がきくので、その気になれば出費の半分くらいは回収できる。そう思えば高額商品でも買っちゃおうという気になりますよね。