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オタリオン・ディフラクトゥム(ハルピデラ・ミセラ)

ここ数日のヤフオクでの怒涛のような化石ラッシュ。私もどさくさに紛れてひとつ購入した。安い買い物ではなかったが、こういうときでないとまず入手の機会がないと思うので。いずれ商品が届いたらこちらで報告します。

まあそれはそれとして、最近手に入れたボヘミア三葉虫について書こう。今回のはオタリオン・ディフラクトゥムという種類で、アウラコプレウラ・コニンキを縦に引き延ばしたような形をしている。1cmという体長は小さすぎるというほどではないが、平べったいうえに母石とほぼ同じ色なので、じっさい以上に小さく、地味にみえる。ヤフオクに100円で出してもまず売れないタイプのものだ。ボヘミア三葉虫には目がない私もさすがにこのあたりが限界かな、と思う。これ以上小さく、地味になると、とりあえずの好奇心は満たせても、眺める楽しみもなければ所有する喜びも感じられないだろうから。


Otarion diffractum


ところでこれを買ったときは、オタリオンではなくてハルピデラ・ミセラ(Harpidella misera)という名前がついていた。私はハルペスが好きなので、ハルピデスとかハルピデラという名前には敏感に反応する。ただしこのハルピデラ、名前以外はどこを見てもハルペスらしいところはない。これはいったいどういうことか。

そもそもハルピデラ・ミセラとオタリオン・ディフラクトゥムはどう違うのか。少し調べてみたがよく分らない。こんなことに時間を費やすのは愚の骨頂じゃないか、と思いながら、やっとのことで得た結論は──

「どっちも同じ、違いはない。たんに呼び名が違うだけです。最近はハルピデス・ミセラと呼ばれることが多いかなあ」

うーん、そうなのか? 100パーセントは同意しかねるが、まあいい、そういうことにしておこう。どのみち諸説のどれが正しいかなんて私には分るはずもないのだから。

じっさいのところ、このように同じ種に違った名前が与えられることは珍しくなく、おまけに成長の各段階で形態の異なるものや、性別による違いにもそれぞれ独立した種名が与えられる場合があるらしいから、現在2万種に近い数が確認されているといわれる三葉虫も、実質的にはその数はぐっと減るのではないか、というのが大方の意見らしい。

最後に種名について書いておくと、ミセラというのは「哀れな、みすぼらしい」という意味で、ディフラクトゥムは「つぶれた、クラッシュした」という意味だ。前者の命名者はハウレとコルダ、後者はツェンカー。いずれにしてもひどい名前で、もうちょっとましなのはなかったのか、と思わずにはいられない。