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立松コレクションを見る

朝7時前に家を出て20時に帰宅。

まさに圧巻の一言でしたね。もう自分で三葉虫を集めるのがいやになるほどの。種類でいえば、おそらくアメリカのものがいちばん多かったような気がします。あとはロシア種、モロッコ種が主で、ヨーロッパでは英国、ドイツ、スウェーデンあたりのものが中心になっていたんじゃないかな。

私の主な蒐集対象であるボヘミア種はパラドキシデスとコノコリフェ、それにボヘモハルペスくらいしかなかったような気がする。ボヘモハルペスはたしか産地がコソボとなっていたが、あんなところから化石が出るんですかね。ちょっと怪しいと思っています。

それでも、パラドキシデスの標本はすばらしいものでした。20cm近くある個体の、体のふくらみがそのまま保存されていて、もちろん自在頬つき、胸節末端の棘はしっぽを挟んで優雅に伸びているという、申し分のない博物館級の逸品でした。

大きい個体といえば、入ってすぐ右側に置いてあるウラリカスとテラタスピス。後者はレプリカだからまあいいとして、ウラリカスはどうでしょう。立松氏はほんものと断案を下されたが、どうも素人目にはにせものくさく映る。モロッコ産の宿命かもしれませんが、どうもほんものならではの存在感に欠けるような気がします。

同じことはアカントピゲ・ハウエリについてもいえて、うちにある贋アカントピゲとたいして径庭がないのです。まさかここににせものが置いてあるとは思えないので、アカントピゲに関するかぎり、にせものであってもそんなに卑下せずともよいという認識に達しました。じっさい、うちの贋アカントピゲはよくできてるんですよね。

モロッコ産では、私が密かに三大「疑惑の三葉虫」と呼んでいるのがあって、ディケロケファリナ、スカブレラ、アサフェルス・スタッブシがそれなんですが、そのうちスカブレラだけが置いてありました。これも棘があからさまに不自然で、たとえ本体がほんものでも標本としてはどうかな、と思いますね。少なくとも私はこういうのは欲しいと思いません。

あと巨体で目をひくイソテルス・マキシムス。このクラスの大きさのものは初めて見ましたが、これまた巨体からくるフェイク感がどうにも拭えませんでした。すごいのはすごいんでしょうけど、やっぱりあまり欲しくないんですね。

逆にこれは欲しい、と思ったものもあります。というか、欲しいものが多すぎてこれこれと絞りきれませんが、たとえば今回はじめて見たアンフィリカス・ハリイ。私はリカスといえばディクラノペルティスがいちばん欲しいんですが、このアンフィリカスには心底魅了されました。大きさはそれほどでもないんですが、標本としての格調の高さという点では今回の展示でも随一ではないかと思います。

カンブリア紀のアメリカの三葉虫もけっこうありましたが、私にはいまひとつおもしろみがよく分らないので素通りしようと思っていた矢先に目に飛び込んできたのがオレネルス・コーディレラーエというもの。これにはがつんとやられました。そしてその隣にあったピーチェラ。これもかわいくてかっこいい。

そうだ、私がアイコンに使っているダイフォンもありました。これには感動しましたが、しかしいかんせんサイズが小さい。1.5cmくらいでしょうか。それにどうやら前後に圧縮されているようで、頭部だけが異様に大きく、胸部がほとんど見えないとあっては、さすがにダイフォン好きの私も「これはちょっと……」と敬遠せざるをえません。まあほんものが見られただけでもよしとせずばなりますまい。

あと、講演の内容も含めて、まだまだ書くべきことはありますが、きょうは暑くてくたびれたので、この稿につづけて明日以降書くつもりです。


(未完)