シルル紀の海底プレート

エリアソン女史のゴトランド本の見返しに密集化石の写真が出ていて、こんなのが欲しいなあ、と思っていたところ、運よく二種類の海底プレートを入手することができた。

ひとつは英国のダドリー近郊レンズネスト(Wren's Nest)のもの、もうひとつはゴトランド島のハルスフーク(Hals Huk)のもの。ダドリーのものはリバーシブルで、両面ともにおびただしい化石が見られる。


ダドリーI

ダドリーII

ゴトランド


これらは距離をおいて眺めると、ただの汚い石の塊にしかみえない。しかし仔細に見るならば──


ダドリー






ゴトランド





いちいち言葉で説明せずともこれらの化石のすごさ、おもしろさは十分に伝わるのではないか(化石好きに限るが)。私がおもしろく思うのは、どちらの密集化石にもレプテーナが見られること。この独特の形をした腕足類についてはこの前言及した(→レプテーナ・デプレッサ - ファコプスの館 -La Maison de Phacops)。ウミユリの茎の断片(環型のもの)も目を惹く。ダドリーのものではレースのように繊細なコケムシがすばらしい。これはたぶんフェネステラ(Fenestella)と呼ばれる種類で、ゴトランドでも同じようなものは産出する。

ゴトランドの密集に見られる三葉虫はカリメネ、エンクリヌルス、アケルナスピスで、頭蓋や尾板やハイポストマがそこかしこに散らばっている。大きな腕足類のあいだにアケルナスピスの眼だけが転がっているのも奇妙な眺めだ。

ダドリーの産地である Wren's Nest は「ミソサザイの巣」という意味だが、日本でもジュラ紀の地層の代表格に「鳥ノ巣石灰岩」というのがあって、もちろん直接の関係はないけれども、ちょっとした対照の妙にはなっている。