石炭紀の植物化石

長らくご無沙汰していた ebay の植物化石カテゴリーを久しぶりに見ると、なんだか以前よりずっと落ち着いている。かつて頻繁に見ていたころは、メゾンクリークのものがこれでもかとばかりに出ていたものだが……

いまはどうやらペンシルベニアのシダ植物が旬のようで、けっこうな数の標本が出ている。

以前何度か買った業者のところを覗くと、ポーランド石炭紀のリンボクで、まっしろのものが出ていた。石炭紀でまっしろ、といえばロシアのパラディン三葉虫の一種)が思い浮ぶが、いずれにしても石炭と白という組合せは「相反するものの一致」のようで私の趣味に合う。そこで久しぶりに入札してみたのだが……

いつもなら競争者もなくすんなり落札できるのに、今回はけっこう手ごわい相手にぶつかって、思うような金額で落とせない。まあここでむりに散財しなくても、同じようなものはまた出るさ、と思って諦めた。

しかしこれで私の植物化石愛好癖に火がついてしまい、その業者の出しているべつのセット売りのものに手を出してしまった。







今回のは5点セットで、シダ植物が1点、あとはすべてリンボク(レピドデンドロン)だ。

これが三葉虫だったら、さっそく同定にかかるところだが、リンボクはどうもその気になりにくい。調べてもよく分らないし、分ったところでそんなに楽しくなるわけでもない。

そもそも石炭紀に栄えた植物群は、だれに命名されることもなく(人間がいないのだから当り前だ)、てんでに葉をつけ枝を延ばし、いわば無政府状態で繁茂していた。そういうあり方からすれば、化石のほうも同定などおかまいなしに各種ごちゃまぜにしておくのが本来の姿ではないか。少なくとも私にとっては、隙間もないほどみっしり箱につめこんだ植物化石の標本くらい目に快く、心を落ち着かせてくれるものはない。



しかしこの手のものは一回買ったらとりあえず満足してしまい、次から次へと食指が動くということはない。次に植物化石を手に入れるのは、おそらく一年後くらいになるだろう。