ギターラ・ギタリフォルミス

黒いパラディンのおまけでついてきたもの。こういうおまけは非常にありがたい。というのも、ギターラなんていう種類を積極的に買おうという気にはなりにくいし、買う気になったとしても、なかなか満足のいく標本を見つけるのはむつかしいだろうから。

今回のものは、売り物になるレベルかどうかは怪しいものの、大きさ、保存状態、それに標本全体の雰囲気も含めて、けっこういい線をいってるのではないか。付属のカードには「FIND 05/05/05」と書いてある。10年ほど前にランカシャーの石炭系で採取された標本のようだ。大きさは完全体だとすると23㎜ほど。


Gitarra gitarriformis




尾部は完全、胸部は下の方の6節、頭部はいわゆる頭蓋(cranidium)が分離されたかたちで残っている。これだけ見ると、エルラシアのような平坦な種類のようだが、じっさいはどうだったろうか。完全体を図鑑などで見ると、平坦は平坦でもやはりプロエトゥスらしい形は保っている。


Lawrance & Stammers, Trilobites of the World, p.71


余談ながら、Gitarra という名前を見ると、森鴎外カルデロンの戯曲を訳した「調高矣洋絃一曲」を思い出す。これは「しらべはたかしギタルラのひとふし」と訓むので、ギターを弾いている弟の横で「しらべはひくし……」などといってふざけていた学生のころが懐かしい。


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いちおうこれで石炭紀三葉虫が4種類集まった。品質はともかくとして、自分の好みに合ったものが短期間に手に入ったのは幸運だった。来年はアメリカ産のものが手に入れられればいいと思う。そんなに質は高くなくていいので、今回のギターラくらいのものでじゅうぶんだ。