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リカス! リカス!

前にも書いたように、私のコレクションにはリカス成分が決定的に不足している。なんとかならないもんかとつねづね思っているのだが……

──リカス、リカスと叫んで呼べば、リカスがくる。

ほんとですかね、そんなうまい具合にいくのかしら。

さて、リカスの魅力はどんなところにあるか。故ボンメル氏によれば、それは稀少性と怪物性だという。なるほど、そうかもしれん。見た目の異様さと、数の少なさ(つまり手に入れにくさ)と。

ところで、私の知っているリカスは、たとえばアカントピゲだとか、アルクティヌルスだとかの、比較的大きめの種類が多い。大きさというのは、怪物性と相関関係にあるもので、巨怪なんて言葉もあるように、大きければ大きいほど怪物性も増すのである。これの典型がニューヨークで産するテラタスピスで、稀少性と怪物性に加えて、サイズのほうもマックスに達している(60センチ弱)。


巨大三葉虫テラタスピスの頬棘(「ニューヨークの三葉虫」より)

Largest Trilobitesより転載


そこまで大きいのはいらないが、まあ少なくとも10㎝くらいはないとリカスらしくないよなあ、と思いながら図鑑類を見るに、意外や、入手可能なリカスの大部分は数センチという小ささなのである。1㎝前後というのも珍しくない。こどものリカスだと思って軽んじていたモロッコのロボピゲなんかはむしろ大きいほうに属する。リカスにはある程度のサイズがほしい、という私の願望にかなうのは、稀少なリカスのうちの、さらに稀少なごく一部のようだ。

稀少中の稀少。うーん、困ったな、そんなものはまず手に入らないぞ。

まあいい、1㎝ほどのリカスを10個あつめてリカス濃度を上げるより、それひとつあれば群小リカス10個分くらいに相当するようなやつを一個手に入れる方が私には合っている。そういうのを数年に一個づつ手に入れて行けばいいんじゃないかな。

というわけで、リカスに関しては金に糸目はつけないことにきめた。「ついにリカス出で来たれり!」と手放しで賞賛できるやつだけ探すことにする。