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アルケゴヌス(・ラティボレ)・レヴィカウダ

ドイツ産の石炭紀三葉虫。黒いネガポジセットはアプラート(Aprath)から、白い尾板標本はフェルバート(Velbert)からそれぞれ採取されたものだが、地図で確認すると、このふたつの産地はそれほど離れていない。おそらく同じ地層がつながっているのではないかと思う。このあたりはデュッセルドルフやエッセンにも程近く、ここを南下していくと、ドイツの三葉虫畑として名高いゲロルシュタインやゲース(すなわち狭義のアイフェル)に出る。


Archegonus (Latibole) laevicauda




アプラートというのは石炭紀三葉虫に興味をもつと必ず目に入ってくる地名で、BPMの図鑑によれば、19世紀から三葉虫の採取が行われているらしい。ただし、今日一般にアプラート産といわれる標本が出たのは、1987年から1990年にかけての一時期のことで、この地方に高速道路を通すために崖を切り開いたとき、石炭紀の地層が露出したことによる。その後産地は閉鎖され、新規の採取はできなくなっているようだ。


アプラートの写真(コーライヒェの切通し Einschnitt Kohleiche)~ "The BPM Guide to Trilobites" より


私はアプラート産の標本が欲しかったので、とくに本種に興味があったわけではないが、届いたものを見ると、なかなか特色のある形をしている。少なくともこれまで手に入れた石炭紀三葉虫のどれにも似ていない。頭鞍側溝が三対あるのも私には珍しくみえる。カンブリア紀三葉虫のように平べったくなっているのはおそらく圧縮によるもので、かつてはもっと厚みがあっただろうことは、保存された複眼を見ればわかる。



ネガポジセットに尾板を加えて、いちおう全身が揃ったことになるが、もちろんこういうのは完全体とは呼ばない。それぞれ長さを計って足してみると、22㎜ほどになるから、まずまずの大きさといっていいだろう。