停滞

この前ロシア産の稀少種で失敗してからというもの、どうやらツキに見放されてしまったようで、いままでコンスタントに続いていた蒐集の手がぴたりと止まってしまった。まあ一種のスランプと思えばいいのかもしれない。じっさい、どこを見渡しても欲しいと思う標本が皆無なのである。それはそれでお金を使わずにすむのはありがたいのだが……

4年間走り続けてきたわけだから、このあたりで一休みして、初心に帰ってみるのもいいかもしれない。初心といえば、三葉虫を集めはじめたころ、某所に出した文がある。その一節を引用してみよう。

私が寓目したうちで、欲しいと思う三葉虫をランダムに並べてみると、まずアカントピゲ・ハウエリ(これは ebay で土壇場で他人にかっさらわれた)、オギギオカレラ・デブッキイ(デブッキイ以外ではだめだ)、キベレ・ベラトゥラ(キベレという名がよい、フランス語読みにするとシベールだから)、イソテルス・マキシムス(巨大アサフス!)、アルクティヌルス・ボルトーニ(ヤフオクのとある業者のトレードマーク)、ハルペス(初めて見たときは便器を連想した)、オンニア(目のない三葉虫ではいちばん好きかも)、アカドパラドキシデス(カンブロパラスを手に入れた今となってはあまり欲しくなくなったが、それでもまだまだ)、シュードキベレ(小さいが、顔を見たとたんに参った)、セレノペルティス(できれば後ろの棘の長く延びたやつ)、モドキア・ティピカリス(エルラシア・キンギでがまんしろ、という声もある)、プリオメラ・フィッシェリ(これも顔にやられた、それとあの彫り刻んだかのような体節!)、オレネルス類(三日月形の目と棘が魅力)、ダルマニテス(なんとなく知的な感じがするのは気のせいか)、トリメルスもしくはパラホマロノトゥスもしくはディプレウラ(今まで見たうちでもっともインパクトのあった個体、しかし名前をメモするのを忘れた)、等々。


このころの、未知の大洋へ乗り出すような、抑えきれない胸のときめきが戻ってきてくれることを願うばかり。