オカタリア・スズイイ

スペインのカンブリア系から出たもので、産地はレオン県のカンタブリア山脈とのこと。Cambrian, Cantabrian と書いてあるので何かの間違いかと思ったが、そういう名前の山があるらしい。ご覧のとおり頭部のみの部分化石で、緑がかった灰色の母岩に黄色で保存されている。


Occatharia sdzuyi


本種は1967年にクルトソル(Courtessole)によって Conocoryphe sdzuyi という名前で記載されたのが最初らしい。コノコリフェといえばチェコで産出するものが有名で、さらにいえば眼のない三葉虫の代表種でもある。しかし、コノコリフェの仲間のすべてが盲目というわけではない。チェコで産するものでも、Conocoryphe havliceki にはちゃんと眼がある。で、今回のオカタリアはその C.ハヴリチェキにあらゆる点で酷似しているのだ。

原記載者のクルトソルは本種について oculé という字を使っている。これは第一義的には「眼状斑のある」という意味だが、本種の場合、眼状斑ではなくて端的に「眼がある」と解したほうがいいような気がする。じっさい標本をみても、もしこれが眼状斑であって眼ではないとすると、ハルピデスの眼なども眼状斑ということになってしまうだろう。

現在うちにあるコノコリフェの仲間を集めて写真を撮ってみた。こうしてみると、やはりチェコのコノコリフェには独特の風格があるし、胸節というのは(たとえ不完全でも)あったほうがいいよなあ、と思うのである。