2015-01-01から1年間の記事一覧

ストロマトポラ

ストロマトポラはストロマトライト、ことにモロッコ産のそれに形が似ているが、もちろんまったくの別物で、現在ではスポンジの仲間に分類されている生物の化石である。ゴトランドでは多産し、土地の人々から「猫のしゃれこうべ(CATSKULL)」と呼ばれている…

ヘリオリテスの一種

ここ半年ほどのあいだにゴトランド産のサンゴ類の化石をいくつか手に入れたので、それらについて少し書いておこう。まず最初に手に入れたのがヘリオリテス(Heliolites)というもの。これは「太陽の石」という意味で、日本では日石サンゴと呼ばれているらし…

化石のバロック

私は手に入れた化石や鉱物はむきだしで並べて楽しむタイプなので、陳列棚は必要不可欠なものなのだが、しかし棚という限られたスペースはすぐにいっぱいになってしまう。むりをして詰め込んでも、あまりごちゃごちゃしているのは自分の美意識に反するし、な…

三葉虫の新分類について

2011年に出されたアドレインの新分類法。こちらのページにあがっているのがそれだが、これをざっと見て気づいたことを書いてみよう。まず第一にアグノストゥス目が消えてしまったこと。これまでもアグノストゥス類を三葉虫に含めるべきかどうかについて…

ケラトヌルスの一種

ディクラヌルスのあとはこれしかないでしょ、というわけで買ったのが本種。アイデンティティが揺らぐほど高い買い物だったが、これにはミラスピスの後押しもあった。というのも、ケラトヌルスはいろんな点でじつによくミラスピスに似ていて、ほとんど直系の…

企画展「三葉虫の謎 II」を見終えて

立松コレクションは2000種の標本からなっているらしい。標本2000種といわれてもあまりピンとこず、「もってる人はそれくらいもってるだろうサ」くらいの認識なのだが、これは2000という数字を少なく見積もりすぎることからくる。たとえば200…

椎野先生の講演(後半)

後半の論題は「外への平滑化」というので、外面の平滑な三葉虫の例としてハイポディクラノタス(Hypodicranotus striatulus)が採り上げられます。これは会場でも展示されていましたが、小さくて地味なので見過ごした方も多いのではないでしょうか。私も講義…

椎野先生の講演(前半)

立松氏につづいて椎野先生の講演がありましたが、これは私にはむつかしくてよく理解できませんでした。よく分らないなりに強引にまとめると──トゲや粒々を纏ったいかつい三葉虫とはべつに、イレヌスに代表されるような、つるっとした滑らかな三葉虫がいる。…

立松氏の講演

8月2日に行われた立松氏の講演「50年の軌跡~三葉虫の多様性とその美~」から。立松氏の化石蒐集のスタンスとして印象的だったのは、なぜ集めるのか、という問いに対して、「好きだから、楽しいから」という、単純ですが断固とした態度を持しておられる…

立松コレクションを見る

朝7時前に家を出て20時に帰宅。まさに圧巻の一言でしたね。もう自分で三葉虫を集めるのがいやになるほどの。種類でいえば、おそらくアメリカのものがいちばん多かったような気がします。あとはロシア種、モロッコ種が主で、ヨーロッパでは英国、ドイツ、…

ディクラヌルス・ハマートゥス・エレガントゥス

多くの三葉虫愛好家にとってディクラヌルスは特別な三葉虫だ、という話をよくネットで見かけるが、これがどうにも腑に落ちなかった。「そんなにいうほど特別かなあ、数あるとげとげ三葉虫のひとつにすぎないんじゃないの?」というのが正直な気持だった。と…

三葉虫の蒐集について

ヤフオクをみると、ロシア三葉虫の女王ことボエダスピスが出品されている。しかも最落なしのようだから、値段はどうあれだれかの手に落ちるのは確実だ。これにはさすがに嫉妬を禁じえない。どこかの金持が物珍しさだけでかっさらっていくのでないことを祈る…

プティコパリア・ストリアータ

以前パラドキシデスを手に入れたとき、年代がカンブリア紀中期、産地がボヘミアとしか書いてなかったので、「これはインツェ(Jince)層から出たものですか?」と購入元に問い合せたことがある。購入元というのはFっしるさんだが、そのときの答は「おそらく…

プリオメラ・フィッシェリ

プリオメラを買うのは三度目だが、三度目の正直というわけにはいかなかった。まず色艶がよくない。腐りかけのピクルスみたいな色をしている。それにあちこち欠けがある。華麗なものが揃うロシア三葉虫には珍しいほどのおんぼろさ。しかし幸いにして(?)こ…